美術教育における鑑賞能力の向上とは、単に教科書の作品写真を眺め、教師の説明を聞くことだけでは達成できないと考えます。指導要領では「鑑賞能力」と「表現能力」は領域の違いこそあれ、関連を図りながら指導していく重要性を指摘しています。育てたい感性は、他者の表現を見て、その思いを自分なりに表現することで育っていくからです。さらに、それら模写を行った作品を、個々の生徒が、明文化や言語化する事でさらに深まって行きます。そのため、完成した作品の裏面には、下記の項目に感想を書かせました。
● その作品から、何を感じ、どこに良さを感じたのか。
● 疑問に感じた点と、その疑問に対する自分の考えは。
● 作者は、何を表現したかったと思うか。
● 模写をして気付いたことは何か。